最近は日米ともに値動きがほとんどない、難しい相場ですね。
本来であれば、コロナショックからの脱却好決算で爆上がりが期待できた景況であったはずなのですが、「織り込み済み」や「期待外れ」というワードが市場を席巻し、売られる銘柄も多々あり、結果的にインデックスを停滞させています。
インデックスに値動きがないと、ニュースにもならず、個人投資家の参入も限定的になってしまいます。そんな中で4月が終わってしまい、ついにアノマリーでもしばしば語られる5月に入ってしまいました。
Sell in May, and go away. Don’t come back until St Leger day(セントレジャーデイ/9月第2土曜日).
下落傾向の強い5月から8月いっぱいまでは、ロングでエントリーはするな。ってことです。
では、その傾向の成否を調査したデータを確認してみましょう。
5-9月 | 10-4月 | |
2020年 | 17.20% | 23.70% ⤴ |
2019年 | 0.80% | -2.4% ⤵ |
2018年 | 10.30% | 0.70% ⤵ |
2017年 | 5.50% | 5.00% ⤵ |
2016年 | 4.90% | 10.25% ⤴ |
2015年 | -8.0% | 7.60% ⤴ |
2014年 | 4.70% | 5.80% ⤴ |
2013年 | 5.30% | 12.00% ⤴ |
2012年 | 3.10% | 10.90% ⤴ |
2011年 | -17.1% | 23.60% ⤴ |
2010年 | -4.0% | 19.20% ⤴ |
単純にセルインメイを体現したのは3回だけですが、下落しようがしまいが10ー4月の方が伸び率が高いのは今年を含めて8回、ということで概ね正しい概念かと思います。ところが直近の3年(2017~2019年)だけは、なんと年後半の方が下落してしまっています!この、傾向の変化は念頭に置いておいた方がいいかと思います。 なぜこのような現象が起きるのか? ①ヘッジファンドの換金
欧米のヘッジファンドの多くは、決算日が6月末と12月末になることが多く、その45日前(つまり、5月中旬と11月中旬)までに顧客からの解約の申し出を受け付けます。
その対応のためのキャッシュを用意するため、保有株等が一斉に売却されることで、市場全体が下落してしまう傾向が出るそうです。
②米国の税制度による影響
投資家への徴収済み税の還付(約20~30兆円)が5月まで続くため、その間の株式市場へ資金流入が相場を強気に繋げ止めている、とも考えられています。
結局、後出しじゃんけん感は否めませんね。
この5月が下落相場になればアノマリーが正当化されるでしょうし、ならなくてもコロナバブルだからいつもと違う、と言われるだけのことです。