【ダウの犬戦略】(Dogs of the Dow) と呼ばれる投資法があります。
これは、ダウ(ダウ工業株30種平均)を構成している30種の中から、年末時点で単純に配当利回りが最も高い10銘柄を購入し、1年経った翌年末に、またその時点での新たな高配当10銘柄に買い替える、というプロセスを繰り返す投資戦略のことです。
配当利回りが高い銘柄は株価が低迷していて投資家に人気がないことにより、「ダウの負け犬」戦略とも呼ばれています。
配当利回りを条件としている戦略のために勘違いしがちですが、インカムゲイン(配当)を狙った戦略ではなく、あくまでキャピタルゲイン(売買差益)を狙った戦略です。
ただし、配当もそれなりに得られるポートフォリオになりますので、【ほったからし長期投資】の観点で臨まれる方だけにお薦めできる戦略です。
この高配当戦略でのパフォーマンスは、成長株が株価をけん引する強気相場では結果が出せずにS&P500より劣ってしまいますが、弱気相場では高配当割安株と判断された押し目買いによって買われる傾向があるため強くなります。これらの銘柄は時価総額が大きいディフェンシブ銘柄であるため、他の銘柄よりも下落率が抑えられる傾向にある点も有利に働きます。
選定銘柄 | 年率リターン | 資産増加率 | 2003年時点の資産 | Dogs : DOW |
ダウの犬10種 | 14.43% | 493倍 | $493,216 | 268.84% |
ダウ30種 | 12.00% | 183倍 | $183,460 | Dogs : S&P |
S&P500 | 11.18% | 131倍 | $130,768 | 377.17% |
この表だけを見ると、米国インデックス投資の中でもスバ抜けた好成績を残しています。
ただし、2020年は『ダウの犬戦略』にとっては最悪の結果で、ダウ30種が7%上がった中で、『犬』は13%もの下落を喫してしまいました。しかも2年連続の下落という結果でした。
今年度でダウの犬に該当するのは以下の10銘柄です。
ダウ10種(ダウの犬)構成銘柄 【2021年】
TICKER | 連続増配年数 | 配当利回 | 配当性向 | 10年増配率 | |
シェブロン | CVX | 33 | 6.11% | -174.1% | 6.0% |
IBM | IBM | 25 | 5.18% | 103.3% | 11.6% |
ダウケミカル | DOW | 0 | 4.28% | – | – |
ウォルグリーンブーツアライアンス | WBA | 45 | 4.69% | 354.8% | 13.6% |
ベライゾンコミュニケーションズ | VZ | 16 | 4.58% | – | 2.7% |
スリーエム | MMM | 62 | 3.36% | 63.2% | 10.9% |
シスコシステムズ | CSCO | 10 | 2.51% | 53.5% | – |
メルク | MRK | 10 | 3.41% | – | 3.8% |
アムジェン | AMGN | 10 | 3.16% | – | – |
コカコーラ | KO | 58 | 2.99% | 90.9% | 6.9% |
この戦略が優秀かどうかはあなたが判断して下さい。
本業が忙しく順風満帆で、「投資はあくまでほったらかしでやりたい」という方には、
- 単純明快な銘柄選択
- 年に一度で済むポートフォリオ見なおし
- ほぼ倒産しない大企業という安定性、
などの点は利点があります。
ハッピートレーディング!