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第11回講義:プロスペクト理論で武装し、他者を出し抜け!

投資心理はチャートに表れます。

つまり、大勢の投資家の、またはプログラムのトリガーになる、売買動機となる価格帯での心理を先読みすることで、あなたはその他大勢から一歩先んじることができます。

その答えは、損失回避の心理、つまり、プロスペクト理論です。

≪チャートで見るプロスペクト理論≫

下記のチャートをご覧ください。

ビットコイン/米ドルのチャートです。たくさんの矢印が平行に並んでいるのが確認できますね。これが俗に言うピボットポイントです。

このいくつかの価格帯で反発・反転するのは偶然ではなく、損失回避の心理が大きく作用していることを表しているということなんです。

2020年末から上昇を始めたBTCは2021年に入ってすぐに40,000を突破し話題をさらいました。価格的に決済を呼び込むレベルなので一気に清算が進みいったん下落します。

再度浮上した①では「より高値を目指すロング派」「40,000で再度押されると読んだショート派」の双方がエントリーし攻防が始まります。

結果的にはショート派が優勢で、30,000まで下落することになりました。

ロング派は含み損が膨らんで損切りできないまま1ヵ月保持し、ようやくエントリーレベルまで戻ってきた ①’ でプラスマイナスゼロの決済をしてしまいます。

かたやショート派は最初に含み益を得られたため ①’まで反転してもまだ余裕があります。「また押し返されるだろう」と高を括って高見の見物です。チャートは意に反してグングン上昇し、含み益だったものが含み損に置き換わってしまいました。こうなるとなかなか損切できなくなるのが人間です。

結果的に5月中旬の①”まで長ーい耐える期間を経て、ここでもまた±0で決済してしまいます。

でエントリーした場合も同様の心理行動が繰り返され、ロング派②’あたりで決済を進め、ショート派も含み益を得られながらも何度も押し返されるレンジ状態に嫌気がさして②”あたりで試合を断念してしまいます。

このように、初めから含み損がある場合、または、含み益があったものの含み損に置き換わってしまた場合、人間は損切ができなくなって塩漬けにしてしまう傾向があるのです。

これが、損失回避の心理、プロスペクト理論です。

≪プロスペクト理論をもっと簡単に言うと≫

さらに代表的な例を挙げると、

  1. コイントスで表を出せれば100万円ゲット
  2. コイントスで裏を出すと  50万円没収
  3. この賭けを放棄すれば   25万円ゲット

あなたはどの選択肢を選ぶでしょうか?

多くの方が 3.を選択します。それはノーリスクで利益を得られるからですね。 続いて、

  1. コイントスで表を出せなけば100万円没収
  2. コイントスで裏を出すと   50万円ゲット
  3. この賭けを放棄すれば    25万円没収

さて、この場合はどうでしょうか?

確率は変わらないにも拘らず、 3.を選ぶ人はかなり減ってくるのです。何の手立てもないまま損失を受け入れることができず、急にみなさん、ギャンブラー化してしまうのですね。

それもこれも、損失回避の心理が起こす現象なんです。

手元になかったものが手に入って(含み益)すぐに失っても、ほとんどダメージは受けません。

しかし、すでに手元にあったもの(資金や含み益)が無くなる場合は、大きな喪失感を感じてしまうのが人間なのです。

これをチャートに置き換えて考えますと、

徐々に増えていった含み益が反転して消滅しても、もう少し保有を続けようと前向きのままなので決済しにくいです。

逆に、徐々に増えていった含み損が反転してなくなった途端に、強い安堵と共に「また損が膨らんできたら」という不安にさいなまれて、結局プラスマイナスゼロのうちに決済してしまう逃げ(損失回避)の行動を引き起こしてしまいます。

これらの投資行動が前述の価格帯(ピボットポイント)を作り出します。

この人間の本能を逆手にとってエントリーすれば、あなたが勝てる確率が格段に上がること間違いないです!ハッピートレーディング!!

≪注意事項≫

なお、重要経済指標発表時や東京市場、ニューヨーク市場の寄り付き時など、活発な取引が行われる時間帯は機能しないことがありますのでご注意下さい。

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